ジオメトリー考察 ~フロントセンター編~
トンプソンのバイクを例に、ジオメトリーを読み解くシリーズ。
今回は、下記のジオメトリー表の”M”の部分を示す、フロントセンターについてのお話です。
■ハンドリングやコーナーリングに影響するフロントセンター
フロントセンターとは、BBの中心から前輪車軸までを一直線で結んだ線の長さをいいます。
このフロントセンターは、車体の安定性やハンドリングなど、操舵に影響する部分になります。
フロントセンターが長いと・・・
・ハンドルを切った際に、つま先が前輪にあたりにくくなる。
・スローな切込みになり、ハンドリングやダウンヒルのコーナーリングなどが安定しやすい。
・ホイールベースが長くなる。
フロントセンターが短いと・・・
・ハンドリングがクイックになる。
・長い場合と比べると、立ち漕ぎなど加速時の突っかかりが良い。
・ホイールベースが短くなる。
などが挙げられます。レーシングバイクほど短くなっていく傾向にあります。逆に、ツーリング車やクロスバイクなどはフロントセンターを伸ばすことにより、つま先と前輪の接触を防いだり、フロントフェンダーを装着するクリアランスを確保しています。
フレームサイズが小さいバイクだと、フロントセンターをある程度長くしないとハンドリングが安定しないけれど、長くしすぎると今度はトップチューブが伸びてしまうので、小柄な人が乗れなくなってしまう・・・難しいさじ加減なのです。
こうなるとヘッドアングルやフロントフォークの味付けも関与してくるので、各社メーカーの腕の見せ所になります。
フロントセンターはフレームサイズにより大きく変動するため基準値というものは言いにくいですが、トンプソンの採用している寸法はレーシングバイクに多く採用されている数値といえますが、極端に短い設定ではありません。レーシングバイクとしてニュートラルに受け入れやすい設計となっています。
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いかがでしたでしょうか?自転車の構造を知ると、色々な観点から自転車を楽しむことができます。
これまでいくつかジオメトリー考察の記事をご紹介いたしましたが、そろそろジオメトリー表が理解できるようになってきたのではないでしょうか?知ればまた新たな楽しみが見つかります。
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