ジオメトリー考察 ~リアセンター編~
みなさんは、ご自身でお乗りの自転車の設計やジオメトリーの特徴はご存知でしょうか?
時代とともに技術が進化し、フレームの材質、それに伴いパイプ形状の変化、カラーリング、パーツの新規格など、新しいものや新技術が年々生み出されていて、自転車は今日も進化しています。
しかし自転車のフレームというものは、パイプ形状の変化や寸法のわずかな変化はあれど、最もオーソドックスな形状の”ダイヤモンド型フレーム”という形状は昔から変化がないようです。
上のジオメトリー表には、各社メーカーサイトにはそれぞれ寸法が書かれています。
こうして見ていると色々あって難しそうですが、自転車を新たに購入する際にはどこを重視するか?メーカーの考えや乗り手の好みが出る部分になります。
そこで今回は、上記のジオメトリー表でHの部分にあたる”リアセンター”についてのお話です。
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■リアセンターは自転車の挙動に関わる
リアセンター部分とは、BBの中心から後輪車軸までの長さ、つまりチェーンステーの長さを表します。
ロードバイクだと、一般的に400mm~410mmの数値であることが多いようです。410mm以上となると、クロスバイクやエンデュランスロードの設計となってきます。(目安です)
リアセンターが長いと
・シートチューブとタイヤのクリアランスが広がり、太いタイヤを履けるようになる。
・直進時やコーナリングの安定性が良い。反面、クイックさには欠ける。
・ホイールベースが伸びる。
などが挙げられます。
トンプソンのロードモデルでは、どのモデルもおよそ405mm~408mm前後あたりの数値を採用しています。
これは、乗り心地と機動性が丁度よくバランスが取れた数値といえます。
石畳や悪路を走行するシーンのあるベルギーのレースシーンでは、乗り心地も確保しながら機動性も両立する必要があるためです。
では、TTモデルのAIR STREAMはどうでしょう?
TTバイクは、綺麗に舗装された道をより速く駆け抜けるタイムトライアル競技に使用するもの。タイムとスピードとの闘いです。
【AIR STREAM】https://thompson.jp/roadbike/airstream
この自転車に求められるものは、直線の速さと空気抵抗の軽減。リアセンター以外にも触れるべき箇所はたくさんありますが、今回のテーマに着目します。
AIR STREAMのリアセンターは、なんと395mm。リアタイヤとシートシューブのクリアランスはギリギリです。
これは、乗り心地や安定性よりも速さを求めた数値といえます。シート角度との兼ね合いもあるのでここだけでご説明はできませんが、こちらは続編にて。
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いかがでしたか?一カ所の数値を読み解いていっても、これだけ深い考察があります。自分が自転車を選ぶ際に何を求めるか?自転車の構造は単純ですが、奥深く楽しいものです。
次回は、また別の個所に着目して読み解いていきたいと思います!
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