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これであなたも自己ベスト更新!嘉瀬峻介のヒルクライム術 vol.2

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数ある自転車レースの中でも、近頃国内で高い人気を誇るヒルクライムレース。
世の中には、そんなヒルクライムレースに特化した「ヒルクライマー」と呼ばれるサイクリストがいる。己の実力が順位に直結しやすいヒルクライムレースの舞台は、完全実力主義の世界。そんな舞台でしのぎを削るストイックなアスリートは、日頃どんな生活を送っているのだろうか?

トンプソンサポートアスリートで、ヒルクライムレースをメインに活躍する現役大学院生「嘉瀬峻介」選手に密着する今回のシリーズ。今回は、嘉瀬選手の「トレーニング環境と取り組み方法編」だ!

前回はこちら→機材選びは慎重に?嘉瀬峻介のヒルクライム術 vol.1

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こんにちは!嘉瀬です。今回は第2回目「トレーニング環境と取り組み方法」という事で、ヒルクライムのレースに向けてのトレーニング方法や考え方などを紹介していきます。

 

■トレーニング環境とその内容

まず、トレーニング環境やその内容を説明していきます。私の現在の拠点は山形県米沢市。周りは1500m以上の山に囲まれた、ヒルクライムには最高の環境です。トレーニングは、平日はローラー台でのトレーニングがメイン、休日は山岳を含むロングライドです。平日のローラ台でのトレーニングはほとんどが1時間以内で、5〜20分間走や短時間のインターバル走、土日は平坦や山岳を含めて100〜150 kmの実走トレーニングを行います。週の練習時間はシーズン中で10〜15時間程度です。

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■年間の練習時間と月ごとのトレーニング

私の年間の走行時間と距離は、去年で317時間7600 km程度。平均すれば週150km程度と、同じレベルの周りのレーサーに比べれば少ない方だと思います。下に年間を通しての各月の走行距離をまとめました。

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▲年間の月ごとの走行距離

 

この中で私が大切にしているのは、メリハリです。

年間を通して見ると11月から2月までの走行距離は極端に短くなっています。先ほど紹介したように私の住んでいる山形県米沢市は練習環境には非常に恵まれていますが、かなりの豪雪地帯で11月中旬から雪が降り始め、1番降る時期には車一台が埋まってしまうほど積もるので外での実走練習はできなくなってしまいます。

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▲1月の様子。路肩に雪が残り、路面はウェット。早朝は路面凍結もあり、思いっきり外で練習できる環境ではない。

なので、冬場は毎日ローラーでトレーニング!と思われるかもしれませんが、実はそんなこともないんです。特に冬場は雪上での軽いランニング等の運動は週2回程度行いますが、12月の1ヶ月間はほとんど自転車には乗りません。理由の1つは、さきほど説明した通り単純に雪で乗れないからです。冬は雪が積もっていて全く乗れない状況。シーズン中に競い合っているライバルたちは関東や関西方面が多く冬場でも乗れるため、遅れをとってはいられないと自分を奮い立たせた時期もありました。しかし冬の米沢は雪が降っていなくても毎日どんよりした天気で太陽が見えることもあまりありません。

結局、気分も乗らなくなってしまうため12月は思い切ってほとんど練習をしないのが私のスタイルになりました。

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▲冬の米沢では車も埋まってしまうほど雪が降る。

 

2つ目は私の性格です。私はもともと中途半端が嫌いで、やらないならとことんやらない、やるときはとことんやる様な性格なんです。これもこの練習スタイルの原因です。また、様々なことに関して常に変化をモットーにしていて、あえてどん底の時期を作り長期で波を作ることでシーズン中に大きなピークを作ります。

レースで競い合ったり、結果が出たりするのはとても楽しいですが、現在の練習環境(気候、普段一緒に練習する仲間がいないことなど)だと、私にとってトレーニングを継続するのは非常に辛いものです。ずっと辛いことに耐え続けるなんて無理ですよね(笑) なので、特にオフシーズンでも12月はあまり自転車のことは考えずに、運動はしたいときにしてそれ以外は何も気にしない時期と決めて、普段心がけている食事も全く気にせずに好きなものを食べています。

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▲これまでに食べたラーメン。(一部) 実は山形県のラーメン消費量は日本一で、美味しいラーメン屋さんがたくさんあります。これも冬に肥えすぎる原因(笑) これ以外にも、甘いものやお酒も大好きです。シーズン中はご法度ですが、オフシーズン中は遠慮なんてしません。

こうして12月は好きなだけ飲み食いして7 kg近く肥えた私は、1月中旬ごろから徐々にトレーニングを始め、雪が溶け始める2月中旬頃には実走練習も始めます。始めの1月から3月はあまり強度を上げずにベースとなる体力や筋力をつけます。4月からは強度の高い練習も入れ始めて5月からのレースシーズンに備えます。シーズン中は各レースを経てステップアップしていき、目標のレースに向けてレベルアップをしていくという流れです。

 

■ピーキングについて

私がレースに向けて特に得意としていることはピーキングです。

機材編でも少し紹介しましたがヒルクライムは重さが命の競技。機材の軽量化はもちろんですがライダーの軽量化も非常に重要になってきます。ただ軽ければいいということもありません。軽く、かつペダルを回すためのパワーを出さなければならないからです。ホビーレーサーは一日中自転車に乗っていられるわけではありません。私も、もし好きなだけ自転車に乗っていられるのであれば辛い食事制限をしなくても減量は可能だと思います。

しかし実際は十分な練習は取れないためアマチュアトップレベルともなると少ない練習時間の中で減量していき、パワーも出しつつ体重も軽いギリギリのところを攻めていかなければなりません。無理に減量をすれば、筋肉も減ってしまいパワーも落ちてしまいます。

この中で私が1番大切にしているのは取る食事の内容とそのタイミングです。この、トレーニングに合わせた食事と減量がヒルクライムという競技において1番大切だと感じるポイントです。この部分は自分の体質が大きく関係しており個人差が非常に大きいため、具体的にこれが正しいというのは存在しないと考えています。色々な方法を試していく中で自分に合った方法を見つけるのがいいと思います。

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▲減量中の昼食の一例(1:1の麦ご飯,スープ,ローカロリーのレトルト食品,プロテイン)

目標とするレースの2週間前位から減量に入る。減量期のカロリー収支は-500〜−800 kcal程度。長時間の練習中や平日のローラー練習の前は練習の質を落とさないように必要最低限の単糖類も取る。特に気にしているのは食品のGI値(食後の血糖値の上昇量)とその食事を摂るタイミング。減量期以外はしっかり食べてしっかり乗るのを心がける。

 

ここまで説明した練習方法はあくまでも私の現在の生活や練習環境の中で結果を残すために最適化されていった方法です。今回は私の練習方法や考え方を紹介しましたが、目標を達成するためには生活リズムや性格、体質など人それぞれに合わせた最適な自転車の乗り方を見つけていくことが大切だと思います。

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特に1番最後に説明した減量については体質や生活リズムによる個人差がかなり大きいと思うので、それぞれが自分の最適な方法を探っていくことが重要だと考えています。今回はヒルクライムレースで勝つための個人的な内容になってしまいましたが、様々なレベルの方でもこの内容がエッセンスとなって、ヒルクライムの楽しみを見つけたり、少しでも速く走りたい方のヒントになるようなことが伝われば幸いです。

次回は実際のレースでの走り方について書いていきたいと思います。お楽しみに!

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Text:S.Kase  / Edit:N.Sato

 

今回は、ヒルクライマー嘉瀬選手のトレーニング環境についてご紹介いたしました。生活拠点、生活習慣、本人の性格、体型は十人十色。100人いれば、適正なトレーニングや食生活も100通り。それぞれピッタリなやり方があるようです。

メリハリって、確かに大事だと思います。メリハリの付け具合は人によりますが、物事はダラダラ続けてもうまくいくはずないですもんね。サボる時はサボって、やる時にしっかりとやってパフォーマンスが出せたら最高です。私トンプソンスタッフのようなヘタレ週末サイクリストが同じことをやろうとすると、ただのサボりで終わるような気がします(^_^;) やるべき時に本気で取り組むことができるというのは、ストイックさの証拠なのかもしれません。

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▲トンプソンオフィスに遊びにきてくれた際の嘉瀬選手。自転車を降りているときの彼は、ごく普通の大学生だ。

次回は、嘉瀬選手のヒルクライム攻略方法をご紹介いたします。地形・勾配・距離により様々なコースプロフィールが存在するヒルクライムですが、疲労を最小限にして無駄なく走るためにはどうしたらいいのでしょうか?どうやら、ただ登るだけではなく登り方にもテクニックがあるようで・・・お楽しみに!

 

【嘉瀬峻介プロフィール】

嘉瀬峻介選手は、1995年12月27日生まれの24歳。山形大学 大学院に在籍中の、現役学生アスリートである。
大学時代の4年間は学校のトライアスロン部に所属しており、トライアスロンとヒルクライムの2本立てで活動。(2019年6月時)

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2016年のいわて国体トライアスロンには山形県代表として出場しつつ、榛名山ヒルクライムや蔵王ヒルクライムといったレースでも入賞・優勝といった成績を収めており、クライマーとしての頭角を当時から表していた。
しかし、より自分の実力を発揮できるヒルクライム・ロードレースをメインに活動していきたいという想いから、2018年よりロードレース競技1本に絞る事を決意。2019年は学生生活最後の年という事で、富士ヒルクライム&乗鞍ヒルクライムのてっぺんを獲るべく日々邁進中!

嘉瀬峻介選手について>>

 

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